実際に客からこのようなことを言われたわけではないが(現在は窓口対応をほとんどしない部門なので)、もし言われたらどうすべきなのか調べてみようと思い、クレーム対応について書かれた本を図書館で借りてきた。けっこうあった。需要があるということだな。
舟橋孝之、クレーム対応の基本がしっかり身につく本、中経出版、2011
関根健夫、事例でわかる公務員のためのクレーム対応マニュアル実践編、ぎょうせい、2014
古谷治子・工藤アリサ、クレーム対応の全技術、かんき出版、2016
援川聡、クレーム対応「完全撃退」マニュアル、ダイヤモンド社、2018
吉田博、公務員のカスハラ対応術、学陽書房、2019
山下由美、クレーム対応 最強の話しかた、ダイヤモンド社、2019
結論として、先方が作成した音声や動画をどのように扱うかについて、公開停止を求めることはできないようだ。
ただし、先方の発言意図を確認する必要はある(単なる個人記録のためなのか、公開しないことの見返りに何らかの要求があるのか)。
・録音/録画について驚いたり困ったりせず、「そうですか」など平然と対応する。先方の誘いに乗ることになるため「そこを何とか」など先方の発言の取り消しや撤回を求めない(古谷ほか2016、96頁)
・ただし、作成行為や公開された内容が業務妨害や名誉棄損に該当して被害が生じた場合は、法的な措置を検討する(山下2019、209頁。被害の算定は実際には困難ではないかと感じる)
上記クレーム対応本では、いずれも「冷静に」「毅然と」「組織として」対応すべし、といったことが述べられていたが、実際にはなかなか難しいと思われる。複数人対応が基本か。
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内容とは無関係だが、著者/書籍の紹介にクレーム解決件数などが多く記述されていたのが面白かった。具体的数字があると、説得力が増すからだろう。「一日200件」は多過ぎの感があるけど、著者はコールセンター勤務だったのかしらん。
・クレーム対応研修実施1500回以上!経験に裏打ちされた最前線のノウハウ(舟橋2011)
・3000社以上、80万人以上の担当者が身につけたお客様の怒りを笑顔に変えるコツ(古谷ほか2016)
・100業種5000件を解決したプロが明かす(援川2018)
・役所窓口で一日200件を解決!(山下2019)
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さらにさらに無関係なのだが、同じような内容の本なのに図書館で置いてある棚が違った。ラベルを見てその分類を調べると以下のとおり。
318.5→社会科学(3類)-政治310-地方自治318(公務員向けの内容だから)
336.4→社会科学(3類)-経済330-経営管理336(危機管理の内容だから)
673.3→産業(6類)-商業670-商業経営673(接客対応の内容だから)
図書館で探すときは司書に相談するようにしましょう。